歯科受診の後悔

こんにちは。アメリカ東海岸在住3年目のankomomです。夫婦ともにポスドク研究員、こども3人の5人家族です。今日はネガティブな話でちょっと長くなりますが、よかったのかどうか後悔している歯科受診についての経験+考察をシェアしたいと思います。

渡米前、アメリカに行ったらしばらく歯科に行けないかもしれないから、ということで自分もこどもたちも歯科に受診して治療が必要な虫歯がないことを確認・クリーニングも済ませてから渡米。渡米後、我が家よりも前から渡米されていた日本人の友達数人に、行っている歯医者さん/おすすめの歯医者さんを教えてもらい、予約のために電話をかけてみるも、新患受付中止中だったり、何度電話してもつながらない or 何度電話しても留守番電話でメッセージを残しても連絡は来ない、、、ために予約がとれませんでした。

歯科に受診できないまま渡米後9か月あまりが経過したある日、十数年前に日本で小さい詰め物をしたところの詰め物が外れました。いよいよ歯医者さんに行かないといけなくなり、入っていたポスドク保険には歯科プランはカバーされていないことがわかったので歯科プランを追加で申し込みました。そして、再度同じ歯医者さんに電話を何度かしてみるも、予約はとれず・・・。全然予約が取れないので、ポスドク保険の追加歯科プランで連携されている医院を探すオンラインページから歯科医院を探してみて、オンライン上の口コミが良かった歯科医院を予約。

初回受診は診断のみ、で対応は親切で施設もきれいで良い第一印象でした。こどもの診察にも対応しているということで、治療を受けてみて良ければ、こどもたちもここに連れて来てもいいかも・・・とも考えていました。そこで、(痛みやしみるなどの症状は全くないものの)詰め物の外れたところに虫歯が少しできているから削ってから覆うことになる、ということで次の受診の予約。

その治療の初回の日、まず処置前の麻酔が徹底的で、いろんな方向から6、7回くらい麻酔注射がありました。その後、削るのに3時間以上かかり、何も症状もないのにそんなにひどい虫歯だったのか?アメリカではこういう治療が普通なのか?という疑問を感じつつ、その日の処置は終わり・・・すると、虫歯の部分を削ったら神経が近くなったから神経を除去する根幹治療が必要になる、との説明。さらに、口の周りから瞼まで麻酔が効いていて、瞼が閉じない状態になっていたので、そのことも伝えると、麻酔の影響だから問題ない、とのこと。その後も何時間も瞼までの顔面神経麻痺が続いていてさすがに長すぎないか!?とそれも心配になりましたが、歯科を出てから9時間半くらいたってようやく麻酔が徐々に切れてきました。次の日の朝には麻酔は完全に切れていて、麻痺が戻ったのはよかったのですが、歯の痛みが始まりました。食事するにも痛くて、歩くのも振動が響くので普段通りに生活ができない状態に。

2週間後、処置受診2回目の日、根幹治療の予定でしたが、前回の治療に不安があったこともあり、再度根幹治療の説明をしてもらいました。前回に必要以上に削り過ぎたのではないか、という疑問はぬぐえないものの、もう歯の痛みがひどく日常生活に差し支える状態になっているので、根幹治療をせざるを得ないか、と考えて根幹治療。麻酔が効きすぎたことも伝えると、今回は持続時間の短い麻酔薬を使うことにする、とのこと。また3時間くらいの処置を終え、次回続きをする、とのことで次回受診の予約。

その20日後、処置受診3回目の日、根幹治療の仕上げと追加の削りがありました。

その16日後、処置受診4回目、クラウンで覆って、ようやく終わりました。ちなみにここまででこの歯の治療代は4240ドル、歯科保険には入ったものの加入してから1年間は治療には使えない(予防的治療、クリーニングなどのみ使える)ということで歯科保険は使えず。歯科保険が使えないのでディスカウントします、ということで、ディスカウントされて2450ドルでした。

とりあえず、辛い思い出(と手痛い出費)になったものの、一旦落ち着いた・・ということで、その後は半年に1回のクリーニング定期健診。歯科で苦労したことなどを、働いている研究室のボスに話すと、大学にも職員&学生用の歯科プライマリーケア「Campus Smile」があって、以前1度行ったら割とよかった、おおごとになっていない時はそこもいいかも、と教えてもらって、途中からはそちらに行っていました。

そして最初の治療の一連が終わってから1年半後の今年の2月、以前に治療した歯に響くような感じがあり、大学内プライマリーケアのCampus Smileに受診。クラウンの下の歯が壊れたか、もしくは根幹治療で神経が残っているか、どちらかだろう、とのこと。ただ、ここでは3Dのレントゲンも取れないし、わからない、とのことで(最初の歯科とは別の)Endodontics (歯内治療医)へ紹介状を書いてもらいました。歯の違和感は数日で収まったものの、紹介状を持ってEndodonticsに受診。根幹治療で神経の枝が残っているのが原因、とのこと。まだ歯が救える可能性もあるから、ということで再度の追加の根幹治療を勧められました。ちなみにEndodonticsの初回受診+診断で支払った費用は340ドル。治療をするなら、「追加治療なので割引で」1200ドルとのこと。費用も高額+症状はなくなっていた+根幹治療をするならまた一旦クラウンを外してそこから削ることになって余計大変なことになるのではないかという懸念・・で、予約はせずに一旦保留して様子見していました。

そうこうしているうちに、最初の一連の治療が終わってからちょうど2年後の、今年の7月末、クラウンがぽろりと外れました。大学のプライマリーケアCampus Smileに受診すると、常勤の先生はいなくなっていて別の先生でしたが、「歯が壊れている、もう抜歯しかない」「抜歯をしたら、隣の2本の歯を削ってクラウンにしてブリッジをする、もしくはインプラント」「抜歯とブリッジはここでできる、インプラントはできないので口腔外科に紹介します。どちらにするか考えてくるように」「一旦仮止めしますが、仮止めなのですぐとれます。とれたらその時は抜歯です」とのこと。ちなみに費用は抜歯だけで290ドル、保険が効いて自己負担は58ドル。クラウンしてブリッジする場合は費用は4800ドル、保険が効いて(ただしもう保険の使える金額の上限に達するので)自己負担は4400ドルになる、とのこと。抜歯もしたくないし、おおごとになってきたので、一旦仮止めしてもらって、抜歯の予約はせずに保留に。

その後、3週間後に仮止めのクラウンがとれました。そこで、日本で歯科医をされている夫の友達に、診察室でのレントゲン写真の画面を携帯で写真撮影したものを送って、意見をきかせてもらったところ、「日本では抜かない歯でもアメリカでは抜歯になることはよくある」「ブリッジは前後の歯を削ることになり、またその歯の根幹治療が必要になることもあり得る」「インプラントは前後の歯を削らなくてもできるものの、レントゲンからは歯槽骨の厚みがないので、インプラントなら骨造成が必要になる、骨造成は2年はかかるんじゃないか」とのこと。

教えてもらった予備知識を持って再度Campus Smileに受診。その日の担当医は、「仮止めしてもまたとれる。取れたら誤嚥のリスクもあるし、今は担当医は日替わりなので取れた時にはまた別の歯科医がみることになり、<すぐとれるのにどうしてつけたのか>ということにもなるので、つけられない」「確かに、ブリッジもインプラントもどちらも一長一短」「抜歯は急ぐ必要はないが、抜歯する場合、副鼻腔とつながる穴ができてしまう場合もありうるので抜くなら口腔外科で」とのことで、口腔外科への紹介状を再度もらいました。

また大変なことになってきました。しかもCampus Smileにはもう常勤の歯科医はいない、とのこと。働いている研究室のボスに話してみると、「そういう時はセカンドオピニオンだ。大学のデンタルスクールに教員のクリニックがあるから行ってみたらどうか」とのこと・・電話してみたら電話がつながらず、留守番電話にメッセージを残しました。次の日に研究室のボスに、電話はつながらなかったものの留守番電話にメッセージを残した、と話していると「それじゃあ何週間たっても予約はとれない!すぐそこだから窓口まで行ってみるのがいい。電話対応は後回しにされがちだからね。しかも、もし新患予約がとれないことになっている場合でも電話よりも対面の方が断りにくいもんだ。」とのこと。早速、教えてもらったデンタルスクールの診療所の窓口まで行ってみると、「OK!ここで予約とれますよ!」とのこと。予約は取れたので、来週受診してみようと思います。

今回の一連のできごとは、2年前、小さな詰め物がとれたものの何の症状もない、ところから始まっていて、その時にはまさか2年で抜歯を勧められることになるとは思ってもいませんでした。最初の歯科の処置が適切だったのか、もしくは必要以上に削りすぎだったのか、今となっては断言できませんが、今回の一連の歯科受診からの反省&学んだことは、①インターネット上の口コミが良いからと言って必ずしも良い選択肢になるとは限らない、②アメリカの歯科治療はとても高額だが、歯科保険は加入しても、すぐに治療に使えるわけではない、③電話がつながらなくて予約ができない時でも、実際に窓口に行ってみたら予約がとれることがある、でした。

長くなってしまいましたが、読んでいただいて、ありがとうございました!


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